伏魔殿・天下り法人

12月22日(土)小雨
22℃、41%(就寝前加湿)、23℃セット
7℃(朝外気温)、13℃(朝室温);6℃(外気温)(10.30)


昼寝をしていたところに、脳梗塞でリハビリ中の弟から電話とのことで起こされた。お互いに「元気か」、「元気だ」と繰り返すだけで、それ以上の意志疎通が難しい。お互いにボケ気味なので。肉親でも、こういう際の応答は難しいとつくづく感じる。


文芸春秋:新年号」の目玉は、「総力特集 暴走官僚」である。その中でも“(6)伏魔殿・天下り法人:若林亜紀“という記事が体験談というか、内部告発的な記事なので迫力がある。以下要点をメモする。
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私は、91年から01年までの10年間、厚生労働省所管の天下り法人で働いた。日本労働研究機構、現在は独立行政法人労働政策研究・研修機構という。(略)まず、驚いたのは、出勤初日に、ニセ研究員になるよう命じられたことである。部長から「研究員を命じる」と書かれた辞令をもらった。「研究員・若林亜紀」と印刷された名刺も渡された。私は事務しかできない。聞けば、
「君の人件費は、研究員の予算を使っているから、そう書かないとまずいんだ」
という。国から人件費をだましとるために研究員に偽装されたのだ。配属先に行くと、私の部にいた6人の研究員の内、5人までがニセ研究員だった。ニセ研究員だから研究などできず、仕事がない。皆、一日中テレビを見たり、雑誌を読んだり、私用をして暇をつぶしていた。
実は、数少ないものの、大学院を出たまじめな研究員もいるにはいたが、居つかなかった。研究所の仕事は、労働行政の政策評価が多いのだが、
「報告書を書こうとすると、文言について厚労省から圧力がかかる。まともに研究すると、どうしても今の政策はムダとかいらないという結果になる」
と言う。厚労省の局長が、わざわざ、「厚労省が法案を通そうとしているときに、それに反対するような結果を出すのは控えてほしい」
と公式に言ってきたこともある。これではまともな研究員など居つかない。

この法人には、厚労省からの天下り役員が5人いた。理事長は、元事務次官で「偉い人」という触れ込みだったが、公金を使って遊びくらしていた。とくに目立つのは海外旅行だった。(略)
これで年棒2千万円、秘書と運転手がついて、7年勤めて退職金を3千4百万円もらった。今は別の法人の理事長をしている。

この法人の存在意義は、天下りを養うことだけであるのは明らかだ。こんな法人に年に60億円の国費が投じられていた。

私は01年、このような実態を雑誌に内部告発して法人を辞めた。(略)
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このような天下り法人の内情を知れば、誰だって馬鹿馬鹿しくなって税金を払う気がしなくなるだろう。勿論消費税アップなど論外である。