通産官僚の破綻


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並木信義著「通産省の破綻」(講談社文庫;1994年発行)を読む。
並木氏は東大経済学部卒の元通産官僚で、産業構造課長兼余暇開発室長の時(1975年)に、佐橋派と反佐橋派の間の対立に巻き込まれて、辞職勧告、退官させられという経歴を有する経済政策通のそうである。

本書では、退官させられた恨みつらみが述べられている、いわば怨念の書である。したがって通産省の過去のトップを実名で無能呼ばりするなど、どうかと思う点が多々あるが、そこを置いておくとして、外部の人間では想像もつかない通産省や政府の暗部を見事にあぶり出している。具体例は多すぎて、引用しきれない。

大体、並木氏が担当した‘余暇‘開発などというものを官僚が行うのは、余計なお世話である。官僚が仕事、天下り先と予算を増やすために考え出したものであろう。余暇をどう使うかは国民一人一人が自分で考え、できる範囲内で実行すればよいことである。


通産省の“余暇開発“に、郵政省や厚生省が悪乗りしてグリーンピアなどの無駄な箱物を建てたのであろう。各省の無能で出世欲だけが強いエリート官僚が、悪賢い政治家とぐるになって、無駄な仕事を考え出し、無駄な予算を使って、今日の悲劇―財政破綻を招いたといえよう。念のために、ネットで調べたら、余暇開発センターは最近まで残っているようだ。