映画:明日の記憶

 昨夜テレビ朝日で放映の映画「明日の記憶」を視た。昨年上映され、数々の賞をとった傑作映画のそうだが、知らなかった。
広告代理店で、部長としてばりばり働く49歳の佐伯(渡辺謙)が時々物忘れするようになったのに気付いた妻(樋口可南子)。妻の勧めで精神内科医の診察を受けて、若年性アルツハイマー病の初期と診断される。その後の夫婦の愛と苦闘(佐伯の退職勧告、妻の外働きなど)、が描かれている。

何時アルツハイマー病にかかっても仕方ない年齢の私と家内なので、この映画では、診察のシーンに特に関心を持った。


医者:今日は何年何月何日ですか?
佐伯:2004年5月17いや!18日です。
医者:今日は何曜日でしょうか?
佐伯:木曜日いや!火曜日です。
医者:次に言う言葉を言ってみて下さい。
“さくら、でんしゃ、ねこ”
今のは後でまた訊きますから覚えておいてください。
佐伯:さくら、でんしゃ、ねこ
医者:そうです。274の数を逆に言ってみて下さい。
佐伯:472
医者:では、8359を逆に言って下さい。
佐伯:9538
医者:はい。では、先ほどの3つの言葉を言ってみてください。
佐伯:??・・・・・???



毎日が日曜日なので、日や曜日には、私も自信がない。記入が必要な場合は、相手に尋ねるようにしている。4桁の数字を逆に言うのもできそうにない。アルツハイマー予備軍かもしれない。


私が元いた会社K社にも、50代の初期に若年性アルツハイマー病にかかり、60歳半ばで亡くなったほぼ同年の同僚A氏がいた。工場勤務時代に社宅が隣りだったので、奥さんもよく知っている。この映画を観て奥さんの大変なご苦労が改めてよく察せられた。A氏は、取締役技術部長として本社に栄転後に間もなく様子が変になり、アルツハイマーになった。カリスマ上司から加えられる強いストレスが原因だと推察していた。寛大なK社で、A氏は、取締役の定年まで在籍していた(出勤しないで)ようだ。したがって奥さんの生活苦はこの映画ほどには無かったと想像する。若年性アルツハイマー病が労災保険の適用を受けられるのかどうかは、素人の私には分からない。仕事上でのストレスが原因なら、適用されてもよいのでなかろうかと思う。だが、その証明は難しいだろう。