ホームセンター

雨上がりの典型的な五月晴れ。昼前は、雨に洗われて勢いを増した緑に包まれた、庭のテラスのテーブルにラジカセを置いて、ほのかな躑躅の匂いの中、ラジオやCD(クラシック)を聴きながらのんびりと至福の時を過ごした。

昼食後は、家内の運転でコーナン・ホームセンターへ行った。試乗の時を除いては、今日が私にとってTIIDAは初乗りである。家内が手動ブレーキを動かすのに力がいると云っていたが、あまり気にしていなかった。今日、ドアを開けるのにも、閉めるのにも可なりの力が要るのを初体験した。加速性能もよいようなので、若者向きの車なのかもしれない。力が衰えた老人には慣れるまでが大変である。

試乗のときは、室内のエンジン音が小さく静かなのに感心したが、その時販売員は、この車は気密性が高いと云っていたのを思い出した。気密性が高いことのプラスの点は、室内でのエンジン音が小さいこと、マイナスの点はドアの開閉に力が要ることであるのに、呆けた頭が始めて気付いた。元技術者の癖にこんな簡単なことに気付かず、簡単に購入を決めてしまった馬鹿頭を悔やんでもしようがない。

騙されたわけではないが、一般論として老人は騙され易いことに改めて気付いた次第である。

門扉の閂を留めるねじが何時の間にか、一個のみになって閂ががたがたになってしまった。それでこの残ったねじを外して、同じものを探しに、今日ホームセンターへ行ったのである。ねじ売り場には数十種類の螺子があった。その中からやっと見つけ出したのが、M4−300という品番の皿ねじ。これで閂がきちんと留められることが帰宅後、判明した。一安心。結構仕事がある。
ついでに夏の庭に備えて、散水ホースの新製品や、蟻の巣用スプレイ、殺虫スプレイ他諸々のものを買った。家内は、100円位の買い物のはずが、1万円を越えてしまったと愚痴っていた。


ホームセンターは若い主婦や夫婦連れなどで賑わっていたが、皆仕合わせそうである。広い売り場を自由に歩いて、欲しいものを自由に手に取り、気に入れば他所よりも安く買えるというのが仕合わせに通じるのであろう。

今朝録画で視た、六本木ミッドタウンにある超一流ホテル‘ザ・リッツ・カールトン東京’で、べらぼうに高いお金を払って居心地の悪い“ぬくもり溢れる心からの温かなサービス”を受けるよりも、ホームセンター内を歩く方が、ズーット仕合わせであると考えるのは、貧乏人のひがみであろうか。