テレビ漬けの一日

どんよりと曇った今日は、テレビと録画の視聴漬けの一日だった。
遅い朝飯(昼飯兼)を摂った後、テレビを付けたらBS1で、「地球マップ:2007、格差と競争にどう立ち向かうか」というパネル・ディスカッションの2時間番組をしていた。出演者は、榊原英資教授他5名。
視始めた10時半頃のシーンでは、主に日本車との競争に生き残るために、アメリカでは自動車工場がメキシコに移っている。デトロイドでは解雇された労働者の悲痛な叫び声が聞こえた。これが日本に跳ね返らないかと、ふと心配になったが、今の所大丈夫のようである。
一方メキシコでは、自動車工場が進出してきたが自動化が進んでいるため、左程雇用は増えないで、貧しさは続いている。アメリカとメキシコの国境の鉄条網には人が辛うじてくぐり抜けられる程度の隙間が開いている。これは、建前では、大量の密入国は困るが、安い労賃の労働者が少しは欲しいという本音を物語っていることらしい。それに応じてアメリカの労賃は全体的に下がっている。つまり格差が広がっている。

アメリカでは、玉蜀黍を原料とするエタノール燃料の自動車が普及している。そのため海外食料援助のためには重要な穀物である玉蜀黍が援助に回らなくおそれがでてきたこと、また玉蜀黍増産のために山林が開発されて環境破壊がおこる可能性がでてきた等が論じられていた。

一方中国は、今科学技術を主体とする創新型国家を目標にして、グローバリゼーション化を着々と進めている。エリート教育の場である清華大学の学生の目は、明るい未来を信じて輝いているそうである。榊原教授によると、勉強をしない日本の大学生とは大違いらしい。中国の生物工学関係特許数は米国に次いで世界第2位というが、試料作成に手間がかかるこの分野では、人海戦術がものをいう。当然なのかもしれない。

アジアでは、事実上の経済統合が進んでいるという。
最後は、格差と競争と相矛盾するものを統合する難しさで一致したようであるが、当然ながら解決策は出なかった。
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以上の重たい番組を12時に視終わってから、昨日次女が持ってきてくれたドイツ滞在中(1989年)に撮ったビデオのDVDをゆっくりと視た。昨年大学生になった孫娘R子の幼児時代のよちよち歩きが可愛らしく懐かしかった。このような思い出を持つ娘夫婦は仕合わせだ。

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それから、昨夜録画した正月番組「相棒スペッシャル:史上最悪のカウントダウン爆破予告ホテルの罠」を視た。大晦日の夜に開かれた悪徳代議士のホテル・パーティで、その婚約者である元刑事の楓(大塚寧々)の幼い娘が誘拐された。楓は娘の救出を条件に、代議士を射殺するように犯人から無線で命じられる。息詰まるシーンが続いて、その間幾つかのどんでん返しが起こり、最後は、お定まりの右京と薫の活躍でハッピーエンド。と言えばあっけないが、途中トイレにも中座できない位引き込まれた。

主役の楓(大塚寧々)にR子の顔が幾分似ており、さらに誘拐された楓の娘に、先ほど視たR子の幼児姿が重なって、何とも複雑な気分になった。こういうのをテレビの見過ぎというのだろう。