四月晴れ

昨夜の台風並みの低気圧が東北地方に去って、一種のフェーン現象で今日は4月の晴れ日和。
昨日、郵便受けに「リサイクル キャラバン」というチラシが入っていた。近所で芝刈り機の刃研ぎもするという。雨で寒かったら止めようと思っていたが、幸い暖かい好天気なので、台車に載せてがらがらと、キャラバンの車まで運んで行った。年寄りには結構な労働である。夏になったら、また芝刈りをせねばならないのかと思うとつい憂鬱になる。芝刈りは、始めたら何ということないのだが、物臭の私には、始めるまでが大儀である。だが、終わって風呂で汗を流す気分は素晴らしい。

午後、藤沢へ行き、「生命の不思議:柳澤桂子集英社文庫)」と「日本語と私:大野晋新潮文庫)」を買う。最近分子生物学に関心を持つようになってきた。老脳は、読むそばから、専門用語の意味を忘れるので、高校程度の内容を理解するにも結構時間がかかる。私達の学生時代には、生物学は、動植物の分類の暗記が主であって、今日のようなDNAを主体とする理論体系はなかった。このような新しい学問の一端に触れることができるのも長生きの効用と思って、この分野の分かり易い本を今後も読んでいきたい。

ところで、この1週間位の間、ブログを休んでいたが、理由は壁にぶつかったからである。初めは、単に日々の行動や想いを記録すれば済むと思っていたが、日にちが経つにつれて中々そういう訳にいかないことに気付いてきた。それで反省期間というか、休暇をとることにした。

それについては、今週の「めるまがJMM(村上龍氏主宰)」に載っていた次の要旨の文章が大変参考になった。
日本経済新聞に毎週書いていたエッセイがあと1回で終了します。意外に書くのが大変でした。いわゆる「オピニオン」ではなく、出来事や体験をテーマにしなければならなかったからです。出来事をエッセイに書くというのは、かなりむずかしい作業でした。出来事としてもっとも印象に残るのは、わたしの場合誰かとの出会いですが、プライベートなことを大部数の新聞に書くわけにはいきません。
見た映画や読んだ本のことを何度か書きましたが、映画や本ばかりではまずいだろうと考えると、本当に題材に困りました。本当に心を動かされたことを除いてしまうと、文章を書くモチベーションが急激に下がるのだということを、この歳にして、また作家生活30年にして、初めて知りました。」

以上のように、大作家にしても、体験を書くのには、題材で苦労するという。ブログの場合は、匿名であるから、事情は違うが、書くという点では似たようなものである。