赤れんが 秋まつり

主催法務省/最高検察庁「赤れんが 秋まつり」というちらしを貰った。丁度上京したいと思っていた時なので、これを機会にと今日行って来た。
JR新橋駅前からタクシーに乗り法務省前で降りたが、人影がないので、裏手の赤れんがに回って、側門から入った。若い職員(省員?庁員?)たちが大勢、役人らしくなく丁寧に迎えてくれたので嬉しくなった。

階段を降り、地下プラザを経て薄暗い通路を通って先ず検察庁模擬取調べ室へ行った。検事の机上にノートパソコンが置いてあったので、「被疑者の取調べ内容を記録するのですか?」と尋ねたら、「記録は、向かって左側にいる事務官がとる」との返事だった。机上に厚ささ15cmほどの六法全書が立てかけてあったので、「法律条文はパソコン内にあり、本の六法全書は要らないのでないでしょうか?」と生意気な質問をしたら、「全ての条文がパソコンに入っているとはかぎりません。検事は六法を引くのに慣れていますから」という答え。さらに、「それなら、何故パソコンが置いてあるのですか?」と訊いたら、むにゃむにゃの返事で分からなかった。これ以上突込んだら嫌われそうなので止めた。

検事席に坐ってもよいというので、坐った。椅子のばねがよく利いていて、とても坐り心地がよかった。こんな立派な椅子が書斎に欲しいと何時も思っているが、市価で15万円ぐらいするので諦めている。こういう椅子に悠然と腰掛けて被疑者を取り調べるのは、さぞ気持ちいいだろうなあ!と思うのは弱者の僻みだろうか。

片隅にテレビがあったので、何に使うのか尋ねたら、記録画像を視るためのモニターとのことだった。仕事の合間にテレビを視るのでなかった。よかった。


次に商業登記を扱うパソコン画面を見せて貰った。暗号処理ソフトを使っているから絶対内容が漏洩することはないと強調していた。


次に、模擬雑居房を見た。狭い部屋に6人分の寝具が並べられている。囚人が増えて収容しきれず、両側に簡易ベッドがあって8人が寝れるようになっている。奥中央に簡単な洗面場があり、左奥の仕切り内にトイレがあるとのことである。こんな所に入れられたら、私だったら一日で死んでしまうだろう。説明員の刑務官らしい人に、「このような嫌な仕事に就こうとする人は少ないでしょう」と訊いたら、「今は就職難で、大卒を含めて合格倍率が10倍以上です」という答えだった。なるほど自衛官よりは楽な仕事だろう。とにかく生きていくことは大変である。女性用の部屋には、鏡台などがあるそうだ。男女別は当然だが、それ以外の区別はなく、内外人も同房とのことである。なお犯罪別で刑務所が違うそうだ。刑務所が一杯なので、今PFIで島根県などの僻地に新設しているという。

薄暗い所を出たら、プラザの入り口のステージで秩父屋台囃子を演じていた、音痴の私には五月蝿いだけなので、早々に引き上げて虎ノ門に向かって帰路についた。途中で見た弁護士会館が立派なのに感心した。
文部省の高層ビルは完工間近みたいだった。日差しが強くなり暑いので、途中日比谷公園に入り、日比谷グリーンサロンでアイスティーを飲んで一服した。

虎ノ門近くの、長年勤めた会社の本社跡地を訪ねたら、綺麗な中層ビルの隣に緑の植込みがあり、その下が地下駐車場になっていた。